北海道の開拓以来、昆布を食べる地域は時代とともに広がっていき、運ばれていった道を“こんぶロード”と呼びます。日本海の福井から京都に入り、また江戸時代には北前船を使って瀬戸内海経由で商業の中心地、天下の台所大阪まで運ばれるようになりました。
その大阪には昆布を加工する刃物技術が発達しており職人が大勢いました。そのこともあり昆布加工も大阪で盛んになり独自の食文化が生まれました。
昆布は、奈良時代には朝廷に献上されたと歴史書にあります。江戸時代盛んであったお伊勢参りは、大阪堺から竹内街道(大和高田近辺)を通り西から東へと進み伊勢へ向かいました。
献上物等としても使われ、当然ながら道中、昆布の食文化は大和高田へも伝わってきました。明治に入り、大和高田は「商都高田」といわれるほどの商業都市になっていき、近隣エリアから“高田に行けば何でもある”といわれるほどでした。
初代西井寅太郎はその大和高田を商売の起点として、明治27年頃昆布製造・販売業を営み始めました。気さくで誰にでも好かれた寅太郎は、「昆布屋の寅さん」と親しまれ、ここから屋号『昆布寅』が生まれました。
創業より天然の昆布の素材を生かした製品をつくることを信念に、二代目西井治は、より良質な昆布を求めて北海道を渡り歩き、大阪昆布業界にも尽力し、業界の発展に努めました。「こんにちは、まあ おはいり どうしたはる(お元気ですか)?」の声が店先で放たれる。お客様と先代との日常の会話の一場面。よく見られた時代でした。三代目西井治男は、治と共に、その昆布をより多くの人々に食してもらうため、店舗販売のみならず出張販売、外交等を含め、日々昆布の加工・販売と専心し、「大和高田の昆布寅西井の昆布」を認知していただくまでとなりました。特に当店の「上とろろ昆布」は、独自の製法で作り上げた逸品です。
当店は現在も昆布専門店として、奈良、大和高田のお客様に永きにわたり御ひいきにしていただいております。ぜひ、大和高田市 天神橋筋西商店街の昆布寅西井の昆布の味をお試しください。
ご来店いただき誠にありがとうございます。四代目店主の西井孝治です。
当店は創業以来、対面小売販売にて昆布および昆布加工品等をお客様に販売致してきました。
時代の流れは変化し、食の欧米化、多様化もあり、日本の食文化も大きく変わりました。昆布の認知や必要性も変化し需要度、使用度も減少傾向にあります。
しかしながら、「海からの贈り物」昆布のもつパワ-は、昔から変わっておりません。
そこで私は、効能や使い方食べ方を、今一度見直し、より簡単に昆布を食していただくことを求めていきたいと考えています。
小さい店舗でもできること。
他店にない味、味わいたいと思っていただけるもの、簡単であること、難しくないこと。
どんな効能が期待できるか知っていただく。これからの子どもたちの成長の糧としたいのです。(食育)
目新しいことでなくても、実施できることはたくさんあります。
お客様の声を役立て、「海からの贈り物」をおすすめしていきたいと考えます。
今までの店舗小売販売に新規通信販売を加え、より多くの方々に少しでも昆布を食していただき、
体調の維持・改善の一助としていただきたく思っております。